週刊おたく茶話

オタク文化についての雑感を記事にしています。ブログ名は週刊誌風っぽくしていますが、更新は週1回やり続けるというわけではありませんのでご了承ください。

東京駅Suica騒動に思う、「同人サークルの皮を被った企業」問題

前回は書きたい事を一つに絞れずにかなり長い記事になってしまいましたので、今回からは短い記事も投稿していきたいと思います。


東京駅記念Suicaが販売中止になり暴徒化・展示物破損 - YouTube

先月の話ですが、この東京駅開業100周年記念Suicaの販売騒動に関して書いていきます。この騒動は記念Suicaを15,000枚限定販売として購入希望者を煽ったために発生したのですが、結局はJR側が批判を受けて希望者全員に記念Suicaを通信販売することになりました。

で、このニュースを見てふと想像したのですが、もしJR関係者が同人サークルとしてコミケに参加して駅開業100周年記念品を同人グッズ(Suicaを売るのはさすがに無理でしょうが)として発売した場合、買えない人が「本来禁止されてるはずの徹夜組を容認したせいで買えなかった」「限定販売なんかやらないで受注生産してほしい」と訴えた所で「『コミケにお客様はいない』のにお前はお客様気取りか」というロジックの一点張りによって不満を訴える側が悪者・悪質クレーマー扱いされ、再販はもちろんお詫びの一言すら必要ない、ということになってしまうのではないかと思いました。

 

そういえば2011年の夏コミで、「まどか屋さん」というサークルが魔法少女まどか☆マギカのスタッフ本(ティロフィナーレ本)を出した事が話題になりましたが、それに参加しているのがアニメーターだけでなく監督・脚本家・キャラクター原案者・声優等々、原作アニメの主要な関係者の面々でありました。こうなるともはや「同人サークルの活動」というより「企業(アニメスタジオ)の活動」であるとしか言いようが無く、実際に「企業ブースで売ってほしい」「せめて委託・再販してほしい」との声もありましたが、それらの声は結局無視されました。

ティロフィナーレ本等のスタッフ本に限らずコミケをはじめとした同人誌即売会では、「原作関係者がその原作をもとに作った『同人』作品」等といった同人で売る必然性が見当たらない、企業で売ればいいような物が多々あります。何故このような事が横行しているのかを考えてみましたが、前述の件のJRのように責任追及される事を回避するために企業関係者が「同人」という皮を被っているのではないかと思います。どんなに露骨なハングリー・マーケティングを行おうと、購入希望者の再販要求を無視し続けようと、同人業界は「お客様はいない」理論で批判を封殺できるので企業関係者にとっては天国のような環境でしょう。そしてコネの無い一般のオタクは、「実質は企業」である「同人サークル」の悪徳商法に振り回される事になるわけです。

こういう現状を看過している同人業界はやはりおかしいと言わざるを得ません。特に「サークル参加してない人間は一切文句を言うな」という空気(同調圧力)は異常ではないでしょうか。せめて大手サークル(=プロの作家等の企業関係者)に「あなたの売り方はおかしい」と批判する事くらいは許されるようになってほしいものです。

 

と、短い記事にするつもりが思ったより長くなってしまいました(^^; とりあえず今回はこれまでとします。それではー。